カテゴリー「人文・思想」の14件の記事

2007年4月17日 (火)

第46回 「情報の『目利き』になる!」日垣 隆

テレビ番組の“やらせ”が次々と明るみになっていますが、ひどいもんですねえ。「テレビの情報を鵜呑みにしてしまう方も悪い」なんて言う人もいますが、実験の模様まで見せられて「疑う姿勢」を持てっていうのは、やっぱり難しいですよね。とくに、一般的な日本人は皆、善良な人だから信じてしまいますよね。

で、この本の話ですが、日垣さんは、さまざまな情報や常識をまず疑ってかかります。そして、入念に調べ、その結果を通して自分の主張を形成しています。たとえば、少年犯罪の場合、加害者は匿名で報道するというのが当たり前になっていますが、日垣さんは少年加害者を実名で書きます。

少年の加害者については実名や写真を掲載しないとした少年法は、それはつくられた当時多発した欠食児童の「おにぎり泥棒」を対象としているそうです。「おにぎり泥棒」たちは、なんと実名報道されていたのです。

それで、「それはあんまりだ」ということで、匿名で報道するように法律をつくったわけです。そんな軽い犯罪で一生を棒に振ってしまったら、かわいそうですもんね。

日垣さんは、そこまで調べ上げた上で、「おにぎり泥棒」と「凶悪犯罪者」を混同するのはおかしいと主張するわけです。

「人を故意に殺すような少年であれば、その結果に対する責任を自覚させないと更正もできないと思います。殺人などの社会的意味を考えるためには、その凶悪犯罪の内実を閉じ込めるのではなく、広く報道されることを通じて、少年といえどもその現実と向き合う必要があるでしょう。」

という考えかたには、かなり納得させられました。

やっぱり、メディアの情報や常識だけを頼りにするのではなく、自分でいろいろ調べ、自分の主張をつくっていくことは大切ですね。最近の選挙を見ていても、メディアに好印象を持つような報道をされた人&政党が勝っていますもんね。国民が選んだというより、メディアが選んだといっても過言ではないくらいです。

情報の「目利き」になる!―メディア・リテラシーを高めるQ&A

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2007年4月 8日 (日)

第37回 「大人のための勉強法」和田秀樹

なぜ、大人になると勉強したくなるのか。

僕も学生のころは「卒業すると勉強したくなるんだよ」という、オッサンたちの言葉を聞いても、「なわきゃねえだろ」くらいに思っていました。

でも、社会人になった僕は、たしかに勉強がしたいと思ってる。なぜだろうか。社会に出て自分が無知であることを思い知ったのもある。

だけど、もっとも勉強したいと思う動機になっているのは、この社会をどうすれば生き抜いていけるのかということを知りたいってことだと思う。自分の誇りを傷つけないよう、ビシッと立って生きていけるよう、いろいろなことを知っておきたいんです。

で、この「大人のための勉強法」ですが、書かれている内容は勉強法に的が絞られておらず、ビジネスマンとしての総花的なノウハウ本になってしまっています。肝心な勉強法も、「無駄な時間を削る」など、わりとありふれたことを言っています。

ちょっと期待はずれ。

大人のための勉強法

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2007年4月 6日 (金)

第35回 「集中力」谷川浩司

僕は、ついついぬるい時間を過ごしてしまいがちです。仕事中ですら集中力を欠き、うす~い時の流れに身をまかせてしまうことが多いもの。

前々から思ってたんですけど、武士が一騎打ちをするときとかって、物凄い密度の濃い時間がふたりには流れてんだろうなって。その場に身をおく気持ちはどんなものなのか知りたいなって思う一方で、そうした超濃密な時間を一度味わってしまうと、普通の生活の時間なんて希薄なものに感じられて脱力感を覚えてしまうのではないかとも思っています。

だから、宮本武蔵なんかは好んで死の危険がある決闘を何度も何度もやったのではないでしょうか。そこでしか、生きている実感を得られないというか、濃密時間中毒というか。

で、将棋師って武士に近いものがあるんじゃないかなって最近思うんです。面と向かって二人で黙々と真剣勝負をしてる。だから、自分は将棋はやらないんだけど、最近、棋士の本をやたら読みたくなるんです。

谷川さんは、以前著書をとりあげた羽生さんの最大のライバルって言われている人なんですけど、やっぱり勝負師だけあっていいこと言ってます。ちょっとだけ例をあげておきます。

・何事に対しても「できる」という方向で考えないと物事は進まないのである。「できる」という方向から攻めると、思わぬアイデアが生まれるものだ。

・勝負事では「三つのうち一つ勝てば……」と考えると、集中力が散漫になり、いい結果は出ないのである。

・苦労しないで効率よく強くなった人は、弱くなるのも早いものである。

なんか強い棋士が言っていると思うと「なるほどなぁ」って思います。これ、そのへんのオッサンに言われたらムカつくだけですよね。会社の上司とか、飲み屋で会った人とか。

将棋はじめようかな。

集中力

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2007年4月 5日 (木)

第34回 「世にも美しい数学入門」藤原正彦/小川洋子

昔、金券屋で「博士の愛した数式」の券が500円で売られているのを発見し、安さにつられて即購入&GO TO映画館したことがあります。映画自体はなんだか退屈だったけど、「友愛数」「完全数」という言葉は、やけに心に残りました。

それで、このたび「博士の愛した数式」の原作者・小川洋子と、数学者・藤原正彦(この人の父親は新田次郎だそうです!)が対談している本を見つけたので読んでみました。

内容はというと、もう、数学を大絶賛。美しい数式が、いかに美しいかをとくとくとしゃべっちゃってます。でも、藤原さんがちょっと興味深いことを言っていました。

「美しい数式ほど役に立つんです。醜い数学は自然に消え去ったり忘れ去られたりする。正しいけれども、何の応用もなく、誰も見向きもしなくなる。美しいものほどなぜか有用性が高い」

美しい数式は何百年、何千年後に偉大な発明の役に立ったりするのだそうです。人間には、本能的に有益なものをかぎ分ける能力があるということでしょうか。美しい、醜いというのは主観でしかないのに、それがゆくゆくは結果に結びついているというのですから。

ということは、かっこいい、キレイといわれる美男美女たちは、なにか有用性のある力を秘めているのかも。よく、美女と結婚して人生転げ落ちた、なんていう男の話を聞くけれども、もしかしたら数式と同じように、何百年後かの子孫レベルで利益をうけるのかもしれませんね。面食いも侮れません。

世にも美しい数学入門

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2007年4月 3日 (火)

第32回 「会社を辞めるのは怖くない」江上 剛

“会社を辞める”っていったら、転職や独立のことだと思いません?僕は、そう思って、この本を買いました。キャリアプランとか、一応いろいろ考えているので。

そしたらですよ。定年退職についてばかり書かれていたんです。“定年退職は怖くない”といことを訴えた本です。もろ団塊世代向け。もうガックシ。

でも、最後まで読みました。30年くらい、前もって読んでいることになります。だけど、こういう人生だと定年もイイ状態で迎えられる、というのがなんとなくわかったので、無駄な時間ではありませんでした。…ということにしておきます。

※見城さんの「編集者という病い」を読んでから、幻冬舎の本をやけに注目してしまいます。

会社を辞めるのは怖くない

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2007年3月29日 (木)

第28回 「日本語はなぜ美しいのか」黒川伊保子

日本語は、母音に重きをおいた世界的にめずらしい言語なんだそうです。めずらしいというか、日本語とミクロネシア語くらいしかないらしい。

“日本語はなぜ美しいか”の理由というより、そうした日本語や言語にまつわる雑学と、英語の早期教育の危険性ばかりが多く述べられています。ですが、読後は“日本語はかけがえのない大切なものなんだなぁ”という気持ちになりました。なぜ美しいのかはよく分からなかったけど、日本語が大切なものだということを理解させてくれる本。子供を教育する際には、日本語の素養をしっかり育てなくてはいけませんよ!

日本語はなぜ美しいのか

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2007年3月28日 (水)

第26回 「ケータイを持ったサル」正高信男

社会学者が現代の女子高生に代表される若い女性を嘆いた本。でも、若い女性についてどうのこうのいった話はほんの一部で、ほとんどは現代の家族について述べられています。まあ、社会学者が“現代の家族とは!”みたいなことを述べた、わりとありふれた内容になっています。「ケータイを持ったサル」という過激なタイトルからすると、拍子抜けな感じ。しかも、現代の家族の状態から、地べたに座ったり、電車内で迷惑行為をしてしまうコギャルが出てきた理由を導きだすのは、ちと無理がある気がします。だって、コギャルは僕の世代にもいた(というか全盛期だったのかも)けど、彼女らは全女子高生の数からすれば、ほんの一部の人たち。その人たちが生み出された理由を、現代のありがちな家庭にもとめるのはどうかと思うんです。平凡な家庭の女子高生のほとんどは、普通の女子高生なんですから。むしろ家庭よりも、コギャルを生み出した東京という都市にフォーカスした方が、より納得できるコギャル誕生の理由を見つけだせるのではないかと思います。でも、いろいろと雑学が書いてあって、そういった面では楽しませてもらいました。

ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊

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2007年3月24日 (土)

第23回 「決断力」羽生善治

天才棋士といわれる羽生善治が“決断”について書いた本です。羽生の異常な強さを知っているものとしては、彼が勝負の大事な局面で魔法のような一手を指すのではないかと勝手に想像していました。でも、以外にもそうではなく、彼はそのときそのときで最善の手を打って相手のミスを待つのだそうです。勝負は、そのほとんどが“ミス”によって決まるそとか。なにごとも辛抱強く最善を尽くす“気力”をどれだけ持てるかが、その人の能力となるということでしょうか。

決断力

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2007年3月21日 (水)

第20回 「趣味力」秋元康

マルチな才能を発揮する秋元康が趣味について綴った本。“自分が40歳をすぎて始めた陶芸について”と、“趣味が仕事になっていって幸せでした!”ということについて述べています。ですから、趣味をもてばこんないいことがある、とか、趣味が人間力を高める、みたいなことは書かれていません。「趣味」について軽く書いてみました、という感じがする、正直内容の薄い本だと思います。

趣味力

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2007年2月27日 (火)

第12回 「つっこみ力」パオロ・マッツァリーノ

「半社会学講座」著者の新刊。常識やデータに対して“つっこみ”を入れることの重要性を説いています。が、なにが面白いかといえば、パオロさんの皮肉たっぷりの語りです。権威的な学者たちをコケにする、その“つっこみ”に笑ってしまいます。

 タイトルだけだと、斉藤孝さんの「質問力」的な本のように思えますが、全然違います。むしろ、この本はエッセイ的なものとして読んだ方がよかろうと思います。一呼吸おいて、じわっと沸いてくる笑いをたくさん味わえます。

つっこみ力

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2007年2月24日 (土)

第11回 「会社員で行こう!」酒井順子

会社に溢れる子ネタを、若い女性の視点から笑いに昇華したエッセイ集。皆が真面目に行動しているビジネスの現場も、見方によっては“笑い”に溢れていることが分かります。

「負け犬の遠吠え」で一躍有名人になった酒井さんだが、ありふれた日常、よくいる人を独特の角度から解析する力がすごいですね。身近にこんな人がいたら、油断も隙もあったもんじゃねえなって思いますが。

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2007年2月20日 (火)

第8回 「適当論」高田純次

適当論

高田純次の“適当という美学”を説いた本と言えばいいのだろうか。高田純次の適当に生きるというポリシーについて、精神科医の和田秀樹が解説したりしています。

 高田純次の表面は“適当”で固められているけれど、深い部分にほ強い芯があることを知りました。彼は適当であるけれど、人を傷つけるようなことをしない。迷惑もかけていない。

 奥底に強い心を持っているけれど、人にはチャラチャラしたいいかげんな姿しか見せない。たしかに男としてカッコイイですね!

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2007年2月16日 (金)

第5回 「ひらめき脳」茂木健一郎

ひらめき脳

最近メディアに登場しまくりの茂木健一郎さん。僕も結構なファンで、ブログも毎日読んでいます。

 さて、この「ひらめき脳」。もっとも印象的だったのは「ひらめき=快感」ということを茂木さんが強調していること。ひらめきには知識の蓄積やウンウン唸る苦しい時間が必要だけれども、ひらめいた瞬間にはこのうえない快感につつまれる。

だから、アイデア(企画)を考えることに対して、ついつい苦しいイメージを抱いてしまうけど、ひらめいたときの快感に目を向け、もっと楽しまなくてはいけないのですね。

 この本は茂木さんの著書にしてはライトな内容で分かりやすく書かれています。これから茂木ワールドの門を叩こうという人には、おすすめの一冊です!

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2007年2月12日 (月)

第1回 「アースダイバー」中沢新一

アースダイバー

自分の知識のなさに呆れ返ったので、読書にはげみ、その感想をここに書いていきます。書評ではなく感想なので、内容がしょうもないことも多いかとは思いますが、なにとぞよろしくです。

さてさて、第1回目は中沢新一の「アースダイバー」です。

東京の主だったお寺や神社は、縄文時代の海岸だった場所に建てられている。歌舞伎町が現在のような姿になったのは、あの場所がかつては湿地だったことに由来する。などなど、“へえ~”とうなってしまうような話が盛りだくさんです。

 なにげなく暮らしている東京に、こんな歴史があったなんて驚きです。この本を読んだおかげで、東京で暮らす日々がちょっとだけ面白くなりそう。

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